アクアマリンの秘密
「え…?」

「全てを捨ててでも、お前を守る。
…俺はあの時…そう決めたから。」


だから月叉はああ言ってくれたのだ。
『お前なら、守れる』と。


「…あたしを守ってくれるのはものすごくありがたいんだけどね…。
その条件じゃ困るわ。」

「…どういう意味だよ?」

「『全てを捨てて』ってところが気に食わないの。」

「だってお前を守るには…あれこれ構ってちゃ…。」

「『蒼刃』だけは捨てないで。
蒼刃が『蒼刃』を捨てることだけは絶対にしないで。それをあたしに約束して。
約束が出来ないんだったら…。あたしは…自分の身は自分で守る。蒼刃になんて頼らない。」


その目が言ってることが本気だということを示している。


俺が俺を捨てる…?
それは命に代えても守るなんてことを許しはしないってことか…?





「蒼刃が、『蒼刃』を捨ててまで守ってもらっても仕方ないもん。
もし…蒼刃が死んじゃって、あたしだけが生き残ったらなんて…考えるだけでも嫌。
あたしは…紫紀さんみたいに強くない。」

「え…?」



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