アクアマリンの秘密
「…星来はどうなのかなぁ…?
蒼刃のことが好きって自覚したかな?」

「どうだろうね…。それは僕にも分からないな。」

「ねぇねぇー紫紀はどう思う?」

「人の気持ちなんて、俺に分かるはずもないだろう。」

「えーっつれないなぁ…紫紀。
じゃあさっ!!白斗はどう思う?」

「んー…難しい質問だね。
でも…星来はかなり鈍そうだから…なかなか気付かないかもしれないね。」

「ボクもそう思う…。
星来、すっごくすっごく可愛いんだけど…どっか抜けてるっていうか…。
そういう気持ちにはすっごく鈍感っていうか…。」

「まぁ…記憶も…
蒼刃が大切にしている記憶でさえ…ないからね。星来には。」

「蒼刃が大切にしている記憶?」

「うん。
僕たちはね…アクアマリンに行ったことがあるんだ。」

「え!?そうなのっ!?」

「うん。確かあれは…月叉の生誕祝いだったな…何回目のだったんだろう…?
僕たちが7歳で…星来は5歳くらいの時の話だよ。
あの日に…僕たちは初めて星来に会ったんだ。」

「それが…蒼刃が大切にしてる記憶…?」

「…そうだね、多分だけど。
あの日ね、星来が盗賊に襲われて…。」

「盗賊っ!?」

「うん。その盗賊から星来を守ったのが蒼刃だったんだ。
7歳なのに、大人8人くらいを相手に…。さすがパシフィックブレードの皇子だって、周りからはもの凄く褒められていたよ。
蒼刃はそんなのどうでもよかったみたいだけどね。」

「大人8人も倒すって…昔っから暴れん坊だったんだね、蒼刃。」

「うん。でも…あの日だよ。確実に。
蒼刃は星来に心惹かれてた。
僕は詳しくは知らないけど…。
でも…蒼刃の顔つきはあの日確かに変わったから。」


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