アクアマリンの秘密
「あ…紫紀さんっ!!」

「…なんだ?」

「紫紀さんも、手首出してくださいっ!!」

「何をする気だ?」

「お守りです。」


あたしは紫紀さんの手首にミサンガを巻く。


「…今までの感謝と、これからの戦いのために作ったものです。
みんなお揃いです。」

「…そうか。
…ありがとう、星来。」

「いえっ!!紫紀さんには何度も命を救ってもらっていますから…。」

「…救われていたのは…俺の方だ。
お前がいなければ…華央は華央として死ぬことが出来なかった。
俺と華央がああして言葉を交わすことなど出来なかった。
俺は…お前がいたからこそ、華央の願いを叶えることが出来た。」

「そっ…そんなことっ…。」

「俺はもう二度と、大切なものをイアルに奪われたりなどしないと心に誓った。
だから守る。
もう何も…あいつに奪わせはしない。」

「…はい。」



その決意が固いものだと瞳が言っている。
澄んだ紫色の瞳が、真っすぐにただ一点だけを見つめている。


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