アクアマリンの秘密
「なんで寂しいなんて思うのかの答えだよ。
星来が寂しいって思ったのは…他の誰でもない…蒼刃がそれを言ったからだよ。
星来が一番…怖がっているのは…僕たちとの別れ、特に…蒼刃だ。
星来に必要なのは…キッカケだけだよ。

さ、蒼刃にミサンガ、渡しておいで。
もうそろそろ出発だよ。」


そう言ってあたしを蒼刃の部屋の方へと押す緑志。


「ちょっ…まっ…まだ心の準備がっ…!!」

「いつもものすごく勢いだけはあったのに、一体どうしちゃったのさ?
…らしくないね、星来。
でもらしくないからこそ、答えはとてもシンプルで明白だと僕は思うんだけど。」

「いっ…意味が分かんないっ!!」

「とにかく行っておいで。ね?」

「う…うん…。」



あたしは緑志に促されるまま、蒼刃の部屋へと向かった。





「緑志っ!!星来になんてアドバイスしたの?」

「アドバイスなんてしてないよ。
むしろ…僕の言葉は星来を混乱させてしまったかもしれないな。」

「えぇー!!ダメだよ緑志っ!!ただでさえ星来は混乱してるのにっ!!」

「なになにー?もしかしてオレの勘が正しければ、星来って恋心自覚しちゃった?」

「そんなもの、ここ最近の星来を見ていれば誰にでも分かるだろう。
当人たちを除けばな。」

「紫紀も分かってたのっ!?」

「あんなの分かりやすすぎる。分かっていない本人たちの神経の方が疑わしい。」

「確かにそうだね。紫紀の言う通りだとオレも思うなー。
というか…本当に幸せになってほしいからさ。二人にね。」

「僕もだよ。蒼刃の覚悟も星来の想いも成就してほしい。」

「ボクも星来の幸せそうな顔が見たい~♪」

「…想いは無駄にはならないだろうな。」



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