アクアマリンの秘密
* * *



「月叉の魔法が解けたか。
…この地をその足で踏んだからだな、星来。」

「イアル様?」

「…星来の記憶が全て蘇った。
星来の持つ魔力は今までの比ではない…。」

「どういうことですか?」

「…記憶とは魔力そのものなのだよ。
私が何故、星来を3年もの間、見つけることが出来なかったか分かるか?」

「何故…でしょうか?」

「記憶を失っていたからだよ。
記憶を持つ星来の魔力は、この世の誰も及ぶものではない。
記憶は力だ。
それを月叉は知っていた…。
だから星来の記憶を消し、力を奪った。この私に気付かれないようにするためにな。
そして…星来が送られた先は…ナチュラルアースだ。
あの場所は…深い守りに包まれていて余計分かりにくい。
私も迂闊に手は出せなかったのだよ。
あの広い国で魔力の抑えられた星来一人を探すなんて、ほぼ不可能だ。

だが…今は違う。
今…我が城に向かっている。
もうすぐ全てが…手に入る。」

「イアル様…。」

「さぁセリユ。宴が始まるぞ。
全てを捨てて私達が欲した世界が手に入る。」

「…。」

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