アクアマリンの秘密
白く長い髪が、光を受けて銀に光る。
その目は薄いグレー。
何とも言えない冷たさを纏ったその気配に、あたしは一瞬たじろいだ。



「セリユ…お前…。」

「セリユ…?」

「宝来蒼刃。
私の名前を覚えていたか…。」

「当たりめぇだ!!
つーかお前…。」

「剣を抜くな。
ここで戦う気など毛頭ない。
イアル様は…お前たちと話がしたいと言っている。」

「そんな話、誰が信じるか!!」

「信じようが信じまいがお前たちの勝手だ。
だが、私はお前たちを連れて来いと命令された身…。
大人しくついて来てもらう。」


今にも斬りかかりそうな蒼刃の前にすっと立ちはだかったのは白斗さん。


「随分と横柄な態度ですね。
…あなたはイアルの何なのですか?」

「…答える必要などない。」


そういうセリユの口元が一瞬強張った。


「オレたちをイアルに会わせてどうするつもりですか?
まさか…交渉でもする気だったりなんかは…。」

「そのまさかだ。
…ここでこれ以上話すことに何の意味もない。
…移動する。」


そう言ってあたしたちに手をかざすセリユ。
辺りが眩く光った。

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