アクアマリンの秘密
「あなたが…イアル…?」

「私の名前を御存じとは…これ以上ない喜びだよ。アクアマリンの姫君よ…。」


その赤い瞳があたしを捉える。
ジャニアの色とはまた違う、毒々しい赤に嫌悪感すら覚える。


「好きで知ってるんじゃないわ。」

「…私は随分と嫌われているようだ。」

「当たり前じゃない。
あなたは…何の罪もない人をその手で何人も殺してきたわ。
それに…ずっとみんなを苦しめる原因を作ったのも…あなた。」

「…何の罪もない人間を殺めることの何が悪いのか、私に説明していただきたいものだな。
そもそも…何の罪もない人間など、この世に存在するのかを問いたい。」

「え…?」

「話が逸れてしまったようだ。
セリユから聞いたと思うが、私は君たちと交渉したいんだ。」

「交渉…?」

「交渉なんてしねぇよ。
お前、俺たちがお前が出す条件を飲むと思ってんのか?」

「…喧嘩っ早さは変わらないね。
しかし…そんなところも実に興味深いよ。
だから交渉したいんだ。」

「だから…交渉…?」



言葉の真意が読めない。

あたしたちの表情を楽しむような目。
なんだか全て見透かされているようで気分が悪い。

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