アクアマリンの秘密
俺は狭間の鏡と呼ばれるものを、上から真っ二つに斬り裂いた。
こっちの世界の斬れ方と向こうの世界の斬れ方では違うらしく、向こうではただ鏡の部分だけが粉々になっていた。




「緑志!!騙されんじゃねぇぞ!?
目の前の奴になんて言われようが、んなもん母さんの本音じゃねぇ!!」


俺の言葉に一瞬だけ安心した表情を見せる緑志。
…俺の言葉が聞こえたんだな。
それだけ分かればいい。

その表情はすぐさま険しいものへと変わり、剣を固く握り直したのが見えた。




「俺も終わりにしてやるよ。向こうも終わるみてぇだし。」

「…望むところだ。」






ほぼ同タイミングで間合いを詰め始めた俺と向こう。








刀を上げた瞬間までは同じだった。




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