アクアマリンの秘密
「死ねっ…!!」



そう言って振り上げられた刀の脇をすり抜けて、背後に回る。



「なにっ!?」

「死ぬのはお前だ。」



俺は向き直りながらそのまま斬り上げた。
思っていた通り、向こうの動きは俺について来れなかった。

そのまま崩れていく身体。
それを静かな気持ちで見守る。




「経験と力じゃ…父さんの身体には敵わねぇんだよ。
でもな…スピードだけなら勝てる。
それだけは最初っから分かってた。
刃を交えたその瞬間からな。」

「…な…に…。」

「向こうは向こうで決着ついてんだろ。
俺たち双子だからな、終わりはきっと一緒だ。
お前も一人で消滅せずに済んで良かったな。」

「…。」






返事はなかった。
もうその身体とも言えない身体はどこにも見当たらなかった。

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