アクアマリンの秘密

歪んだ想い

* * *


「みんなが…消えた…?」

「回廊に入ったようだな。」

「回廊?」

「お前の大切な仲間とやらがいた場所は、イアル様が作った別の世界だ。
この現実世界とはまた別の…な。」

「この世界とは別…?」

「現実世界と架空の世界を結んだ部分が回廊だ。
その回廊を渡って現実世界に復帰しようとしているのだろう。
イアル様に『負の感情』を植えつけられた者たちが、その身を斬り裂かれた瞬間に自我を取り戻した。そして奴らに助言したのだ。この回廊を進むようにな。
そして回廊はその者たちによって開かれ、一筋の道が示された。この世界に通ずる道が。」

「じゃあみんなは…。」

「無事に帰ってくるなどと期待はしない方が良いぞ。
イアル様が奴らを生かすはずもない。
お前も見ただろう?奴らの傷だらけな姿を。
あれが現実であり答えだ。
泉臣白斗と合流できなければ、宝来蒼刃はあの傷を抱えたまま戦わなくてはならない。
それは他の戦士たちにとっても同じこと。
もっとも…泉臣白斗自身は自らに癒しの力を使うことが出来ないからな。
お前に出会うしか傷を治す方法は…。」




あたしは勢いよく立ち上がった。



「どこへ行く気だ。」

「決まってるでしょ!?
みんなのところよ!!」


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