アクアマリンの秘密
これは大したことではなかった。
子どもなど欲しくはない。
子どもが生まれても、私は何も出来ない。
自分がどう育てられたのかも曖昧なのだから。



ただ生きるために、そして金のために身を売る日々がどのくらい続いたのか。
終わりは突然やってきた。




















「死ねっ…!!」



さっきまで私の身体を好きなだけ舐めていた男が斬りかかってきた。
…様子がおかしい。



「どうした?」

「お前が憎くて憎くてたまらねぇ…。
お前の身体だけじゃ足りねぇんだよ…。命も寄越せ!!」

「それでは約束が違うな。」



私は寝台のそばに置いてあった、細い長剣を握った。

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