アクアマリンの秘密
「魔香水(マコウスイ)の誘惑には染まらなかったようだな。」

「魔香水?」

「人々に殺気をもたらすために私が撒いたものだ。
効果は…お前も見た通り。」

「どうしてそんなことを…。」

「何かを始めるためには、まず全てなかったことにしなくてはならない。
破壊は創造を生む。そうは思わないか?」

「…難しい話をされても困る。
私には知識がない。」

「知識などいらぬ。
その身とその剣があれば、世界は変えられる。」

「世界を…変える?」

「そうだ。
…さて…稀な剣を持つお前…。
お前には選択肢を与えよう。
私と一緒に行き、世界を変えるか。
それとも…ここで私の剣に殺されるか。
…私の推察だと、お前も同士だと見受けられるが…。」

「同士?」

「世界に絶望した同士だ。」

「…確かに…同士かもしれない…。」

「来るか、一緒に。」





『一緒に』という響きと、あの時のイアル様の眼差しは…私にとってどうしようもないほど魅力的な誘惑だった。
魔香水なんて比べ物にならないほどに強力な…。

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