アクアマリンの秘密
「あなたは…ただ愛が欲しかっただけ。
その想いは歪んでなどいないわ。
人間として当たり前の感情よ。
愛されれば嬉しいし、愛した分だけ幸せを与え、自分も幸せになれる。」

「…愛しか知らぬ姫の言いそうなことだな。」

「それは…褒め言葉として受け取っておくわね。
あたしは…もし仮に人生において一つのことしか知ることが出来ないのだとしたら…『愛』を感じることが出来たことを幸せに思うわ。
あたしは…とても周りに愛されてる。そして同じ分だけ…愛したいと願ってる。」

「いつから自慢話になったんだ?」

「セリユ、愛は無条件で与えられるからこそ愛なのよ。
あなたがイアルに何かをしてあげるからイアルがあなたに愛を与える。
…そんなのは愛じゃないわ。
その仮初の愛はただのエサよ。…今までのあなたはペットと同じ…。」

「ペットと同じ…か…。」



否定は出来ない言葉だった。

それに…自分でも分かってた。











それは『愛』じゃない、と。



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