アクアマリンの秘密
「『タイム』」

「え…?」



今頃あたしに剣が刺さっているはずなのに、あたしは無傷で…
恐る恐る顔を上げた。



止まっている。
あたしの30センチ上でマイサの剣の時間が止まっている。

止まっているのはそれだけじゃなかった。

蒼刃も、緑志も、桃依も、白斗さんも、マイサも…
みんな止まってた。

動いているのはあたしと…紫紀さんだけ。



「間一髪だ。もう少し周りを見ろ。」

「ご…めんなさい。」

「お前は何がしたかったんだ?」

「この…マイサの髪から、マイサの記憶…
ううん、共鳴石の情報が知りたくて…。」

「共鳴石のない今の俺ではあと30秒が限界だ。
集中しろ。」

「はいっ!!」








あたしは剣が落下してくる場所から少し離れたところで、マイサの髪に触れた。

今までにないくらい全ての神経を研ぎ澄ませ…

右手に握られたこの髪の毛だけに意識を集中させる。


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