アクアマリンの秘密
「…大丈夫か。」


ふらついた身体を支えてくれたのは、朝霧紫紀だった。


「…私から離れろ。
…もう、私に出来ることは何もない。」








これは完全なるイアル様への裏切りだった。
裏切り者の未来は、終わりでしかない。

終わりは全ての生き物に等しくやってくる。
だが、それが遅いか早いか、そして自分の望む形でやってくるかどうかだけは選べない。

私はある意味、自分の望む形で終わるのだろう。














「セリユ…お前には失望させられたよ。」





時間にすれば本当に一瞬…
音もなく、私は何かに貫かれた。


…分かりきった結末の訪れだ。



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