アクアマリンの秘密
* * *


「え…?」


あたしが抱きしめていたはずの瑠香が消えていた。


「私ならここにいる。」


声のした方を振り返ると…


「瑠香!!」


どうして?なんで血まみれじゃないの?
色々聞きたいことはあったけれど、今はそれどころじゃない。
そんなことよりも嬉しさが勝ってる。


「瑠香ーっ!!」


あたしは立ち上がって瑠香に思いっきり抱きついた。


「は…離れろ。鬱陶しい。」

「だってだって嬉しいんだもん!!瑠香が生きてて!!
あたし、死んじゃったかと…。」

「朝霧紫紀が私を助けた。」

「え?」

「時間を巻き戻したんだ。」

「紫紀さんが…?」

「私が死ぬと、お前が泣くからだそうだ。
…愛されているな、お前は。」

「…『リターン』を使ったのか…紫紀。」

「…だったら何だ?」

「リターンは高度な魔法だ。
お前の初期魔力値では絶対に使えない。
…それも共鳴石の力か。」

「…お喋りはここまでだ、イアル。
長年の恨み…今こそ…!!」


そう言って紫紀さんがイアルに斬りかかった。



< 564 / 678 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop