アクアマリンの秘密
「星来…なのか…?」


頭の中に流れてきた声は間違いなく星来のものだった。
それなのに、抱き留めた星来は未だ眠り続けたまま。


「どうなって…?」

「大人しく聞け、宝来蒼刃。」

「セリユ…?」

「私の名は瑠香だ。
それより…ミサンガに託したのは姫の最後の想いだ。
私が時間を止めた隙に姫がお前たちのミサンガに想いを残していったのだろう。
今お前がしなくてはならないことは、その声に耳を傾けることだ。」


…瑠香は俺の目を真っすぐに見つめてそう言った。



最後の…想い…だと?
んなもん俺は…聞きたくねぇ…。
『最後』なら尚更だ。



「姫はお前を『生かす』ことを一番に願っていた。
その声を聞かぬと後悔するぞ。」











俺がどんなに聞きたくないと願っても無駄だった。
星来の声は頭の中に響いてきていたからだ。


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