アクアマリンの秘密
「月叉…お前…。」


声の主は月叉だった。


「…間に合わなかった…。」

「間に合わない?
どういう意味だ…?」

「星来に…使わせてしまった…。
封印の魔法を…。」




かなり急いで来たからなのか、息が上がっている。
…本来ならば、今こうして立っていることさえ奇跡みたいなもんだ。
まだ立てるような身体じゃねぇ。
それでも吐き出すように言葉を続ける。




「封印の魔法…
古から月星の魔導書に書き記された伝説の魔法だ。
未だかつて、魔法が使われたことがあるのか…そして使われた魔法が成功したのかさえ分からないとも言われている。」

「んな魔法使って…
大丈夫なのかよこいつ…!!」



















「見たところ…命に別状はない。」


俺はその言葉に胸を撫で下ろした。


「だが…戻らないものもある。」

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