アクアマリンの秘密
「戻らない…もの…?」



何か思い詰めたようなその表情に、悪い予感がした。

月叉の言葉は俺の予想を裏切らなかった。



「星来の記憶はもう二度と戻らない。」



それは絶望にも似た言葉だった。







「どういう…ことだよ…それ…。」



「言った通りの意味だ。
この封印の魔法には高い魔力と精神力…そして記憶が必要なんだ。
イアルの身体は眠りにつき、鎖で縛られている。あの鎖は星来の記憶の魔力を糧として作られている。
記憶の魔力と封印の魔法による浄化作用で…イアルは全く別の人間に生まれ変わることが出来るんだ。」

「あいつの記憶が…戻らない…だと…?」





言っていることは理解出来る。
でも上手く飲み込めない。


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