アクアマリンの秘密
力なくそう呟いた。
俺をなだめるかのように緑志が俺の肩に手を置いた。





「また若者たちに傷を負わせてしまったようじゃの、わしは。」

「こっ…国王陛下!!」

「おじい様!!」

「えっ?おじい様~?」

「左様。
わしは月叉にとっては祖父、そしてそなたたちにとっては国王じゃの。
…ナチュラルアースの。」

「アクアマリンの王家の方だったなんて…。」

「…おじい様はナチュラルアースで眠らされていたはずじゃ…。」

「ようやく紫紀と白斗の魔法を破ることが出来てな。
本当はもっと早く来る予定だったのじゃが…。
…強くなったようじゃな。紫紀、白斗。」

「有難きお言葉です、国王陛下。」

「陛下には及びません。」

「そう謙遜するでない。
お前たちはよくやった。
全てが上手くいったとは言えないが…それでもやれることだけのことはやったと言える。
…傷を残してしまったことは否めないがな。」



ゆっくりと国王が俺に近付いてきた。
緑志が下がり、その場所に国王が落ち着く。

俺はまだ星来を抱きしめたままだった。



「蒼刃…お前には最も辛い結果になってしまった。
すまんの…蒼刃。」

< 602 / 678 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop