アクアマリンの秘密
* * *
ビーラルアクアマリンというところに移動してから1週間。
あたしはまだ、抜け殻のような毎日を過ごしている。
「姫、朝食の準備が整ったそうですが…。」
「今行くわ。」
瑠香という剣士があたしの付き人をしてくれている。
とても有能だってことはすぐに分かった。
だけど…以前のあたしと何か関わりがあったのかとか、そういうことは全く分からない。
「ねぇ…瑠香。」
「何でしょうか?」
「…こうなる前のあたしを…知ってる?」
「こうなる前、とはどういう意味でしょうか?」
「…あたしが今みたく、何も覚えていない状態になる前…。
あたしがちゃんと…自分の名前を知っていた頃のあたしを…あなたは知ってる?」
「…ええ。存じ上げております。」
「教えてくれないかしら?」
「なぜですか?」
「え?」
「なぜ…急にそんなことを…。」
「なんだかとても…大切なことを忘れてしまっているような気がして…。」
「大切なこと…ですか?」
「ええ。
あたしを守ると言ってくれた人が…誰だか分からないの。
…でも思い出したいの。」
霧の中にいるかのように見えないその人。
でも…あたし…
ビーラルアクアマリンというところに移動してから1週間。
あたしはまだ、抜け殻のような毎日を過ごしている。
「姫、朝食の準備が整ったそうですが…。」
「今行くわ。」
瑠香という剣士があたしの付き人をしてくれている。
とても有能だってことはすぐに分かった。
だけど…以前のあたしと何か関わりがあったのかとか、そういうことは全く分からない。
「ねぇ…瑠香。」
「何でしょうか?」
「…こうなる前のあたしを…知ってる?」
「こうなる前、とはどういう意味でしょうか?」
「…あたしが今みたく、何も覚えていない状態になる前…。
あたしがちゃんと…自分の名前を知っていた頃のあたしを…あなたは知ってる?」
「…ええ。存じ上げております。」
「教えてくれないかしら?」
「なぜですか?」
「え?」
「なぜ…急にそんなことを…。」
「なんだかとても…大切なことを忘れてしまっているような気がして…。」
「大切なこと…ですか?」
「ええ。
あたしを守ると言ってくれた人が…誰だか分からないの。
…でも思い出したいの。」
霧の中にいるかのように見えないその人。
でも…あたし…