アクアマリンの秘密
「忘れても、絶対思い出すもん。
それにね…もし蒼刃のこと、忘れちゃったとしても…。」



あたしは背伸びをして蒼刃の耳元でそっと呟いた。



「あたしは絶対、蒼刃のことを好きになると思うの。」

「はぁ?お前何言って…。」

「蒼刃、顔真っ赤ー!!そんなに顔真っ赤にしなくてもいいじゃん!!」

「うるせぇ…つーかお前…んなこと言ってタダで済むと思うなよ?」

「え…?」



その瞬間にぐいっと引かれた腕。
すっと蒼刃の腕の中に収まってしまう。



「蒼刃…?」

「いいから黙って、目ぇ瞑っとけ。」

「え…?」








あたしが目を瞑る暇もないままに降ってきたのは…





蒼刃っぽくない優しいキスだった。


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