アクアマリンの秘密
「さ…触れた…。」

「やっぱり、ね。
その魔導書はね、『月星の魔導書』と呼ばれる最古の魔導書だよ。
読んだことはないけど、その魔導書の謂れなら知ってる。」

「あの…どうして…白斗さんにあんなこと…。」

「この魔導書は…『読み手』を選ぶ。
誰でも読めるってわけじゃないんだ。
…星来がこの魔導書に触れることが出来たってことは、この魔導書が君を選んだってことさ。
これで…君が学ぶべき魔導書は決まったね。」

「でもっ…あたし…魔法のことなんてこれっぽっちも分からないのに…
そんな最古の魔導書なんて…読めるかどうか…。」

「心配する必要はないよ。
月星の魔導書は読み手が学びたいと真に願う魔法を教えてくれる。
星来、今君が一番知りたい魔法を心に思い描いて魔導書を開いてごらん?」



あたしが一番知りたい魔法…
それは…


心にその魔法を思い描いて、魔導書のページを開く。
すると…



バサバサバサッ…


勝手にページがめくられていく。
そしてあるページで止まった。


「読心術…。」


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