アクアマリンの秘密
「あーあ…邪魔が入っちまったよ。」

振り返った先には、あたしよりもずっと深い蒼の瞳、そして紺色の短い髪の少年が立っていた。


「ソード。」


低くそう呟くと、彼の右手にはいつの間にか刀が握られていた。
細身で長い刀。鋭く剣先が光る。

彼の握った刀を見るなり、ジャニアと呼ばれた男はぱっと手を離す。


「ふーん…〝ソード〟の使い手がまだ生きて残っていたなんてな…。
もう全滅かと思ってた。」

「黙れ。お前は俺が消してやるよ。〝ビシアス〟」


そう言って、あたしの腕をぐいっと引っ張った。


「緑志(リョクシ)、シールドでこいつを守れ。」

「分かってる、こっちだ。」


そう言ってあたしの腕を掴んだのは深緑の髪、翡翠色の瞳の少年。
心なしか…さっきの人に似てるような気もする…けど…。


「シールド。」


目の前の少年がそう言うと、あたしの前にシャボン玉を大きくしたようなものが現われる。


「これに触って。」


あたしは言われるがままにそれに触れる。
その瞬間、その中に吸い込まれる。


「その中なら、ビシアスたちは何も攻撃できないから。
あ、桃依(トウイ)!!」

「遅れてごめん!あっちの仕事が間に合ってなくて…。
白斗(ハクト)と紫紀(シキ)はやっぱりまだ来れないよ…。」

「大丈夫。星来は守ってる。ビシアスは二人しかいない。今は蒼刃(ソウハ)だけで十分間に合ってる。
桃依、お前は星来を僕たちのシップに運んで。ある程度どっちも片付いたら、ひとまず逃げよう。ここで戦っていても仕方がない。
そっちが片付いたらシップを動かしてこっちまで来てくれ。そしたらシールドでビシアスたちから見えないようにするから。」

「分かった!急ぐね!」

「頼む。じゃあまた後で。」


互いの目を合わせ、強く頷く二人をあたしはただただ見守るしかできない。

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