アクアマリンの秘密
今の記憶がある時から、ずっとあったこの『力』
自分の意志とは関係なく、使い続けてきた。
この力が特殊なものだってことを知らなかったから…
それに…今までは力を使っていた相手が…『人間』じゃなかった。


人間以外の生き物が意志を持たないなんてことはない。
お花だって小鳥や虫だって、あたしと話してくれる。意志も感情も全てある。


でも人間はとても…複雑だから。
人間は…さまざまな想いを抱えているから…。


見せたくないものがある。
見てしまってはいけないものがある。
時間が経たないと踏み込んではいけないものがある。


そして…
今一緒にいてくれるみんなには…
何か大きくて深い『傷』がある。


まだそれが何なのか分からない。
でも分かることもある。


それを今、あたしが不用意に読んじゃいけない。
あたしはそれに、今踏み込んじゃいけない。
読むべき『時』を、あたしは『読まなきゃ』いけない。





「今までみたいに、好きな時に好きなように時間をかけてお花達と話をするような『力』じゃダメなんです…。
それじゃみんなの役には立てない。
たとえ与えられたチャンスが一瞬しかなくても…
その一瞬で正確な情報を読み取れるくらいにならなくちゃ…あたしの『力』は意味がない…。そう思ったんです。
それに…。」


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