アクアマリンの秘密
あたしはこの魔法が成功したか知りたくて、蒼刃の腕に触れた。


「はぁ!?つか離せよ!!」

「うわっ…ちょっと…そんなに強く振り払わなくたって…。
でも、成功!!魔法、ちゃんとできてた!!」

「良かったね、星来。最初から上手くいくなんて器用なんだね。」

「わーっ!!すごいよ星来っ!!」

「ありがとう!!」

「なっ…お前…また俺の心読んで…。」

「読んでないよっ!!読んでない!!ちゃんと出来たから!!」

「意味分かんねぇ。ちゃんと説明しろよ、白斗。」

「星来はね、心を読まないように自分に魔法をかけたんだ。
で、蒼刃に触れて、それでも心が読めなかった。だから成功。お分かりかな?」

「なんで俺で試すんだよ!?」

「だって白斗さんが、蒼刃の想いが強いって言うから…
蒼刃で成功すれば、この魔法も成功かなって…。」

「はぁ!?」

「それはなんだ?」

「えっと…月星の魔導書です。」

「月星の魔導書?」

「はい。」

「凄いよねー。オレの部屋にその魔導書が隠されてあったことも凄いけど、何よりその魔導書に選ばれたことが凄いし…しかももう使いこなしてるしね。」

「使いこなしてなんか…
この魔法だっていつまで続くか…。」

「かけ直しが必要になるのかな?時間がくると…。
でもそこも分からないね。効果が切れてみないと。」

「はい…。」

「なにはともあれ、これで一つ前進だね?星来。」

「はいっ!!」


これで一つ、進めた。
まだ…足りないけど…それでも…

昨日よりは…今日。
今日よりは明日に繋がる…新しい力を…。



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