アクアマリンの秘密
「あいつは…あの国に着いたら自分の傷を治そうとはしないだろう。体の傷はもちろん自分では治せないし、心の傷もそのまま放置する…。
だからその時は…お前が…。」

「あたしが…治します。」

「え?」

「あたしに…出来るかはまだ分かりません。
でも、やる前から諦めたくない…だから、やってみます。
あたしは、あたしが今出来ることを…みんなのために出来ることを…少しでもいいからしていきたい…ので…。」

「そうか…それは…。」

「…?」



あたしは顔を上げた。
紫紀さんの言葉の続きを待つ。



「頼もしいな。」


あたしの目の前にあったのは、いつもの無表情な紫紀さんの顔ではなくて…
優しく微かに…微笑んだ紫紀さんの顔。


あたしの頭を軽くポンポンと撫でる。



「ヒールと白斗、頼むぞ。その代わり…。」

「はい…?」

「お前は俺が守る。」

「えっと…はっ…はい!!おっ…お願いしますっ…!!」


いきなりいつもの真顔に戻るから、ちょっとドキッとする。



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