アクアマリンの秘密
「あっ…あたし…早速勉強してきますっ!!」

「あ、おい…。」




あたしは猛ダッシュでリビングから離れ、白斗さんの部屋にあるはずの月星の魔導書を取りに行った。


コンコン…


「あの…魔導書を…。」


ガチャッ…



「うん。取りに来ると思ってたよ。
オレは触れないからそこに置いたままになってる。」

「あ、ありがとうございます!!」

「いえいえ。
それより…紫紀に呼び出されるなんて珍しいね?大丈夫だった?」

「え?大丈夫って…何がですか?」

「紫紀、いつも笑わないから怖かったんじゃないかって…。本当は紫紀はね…すごく…。」

「優しい方ですね。紫紀さんは。
それが…今日、よく分かりました。」

「え?」

「紫紀さんはとっても優しい方なんだって、そう言いたかったんですよね?白斗さんは。
あたしも…そう思います。
全然怖くなんかありませんよ。
あ、じゃああたし、やることがあるので失礼します!!」

「う…うん…。」



これ以上白斗さんに、紫紀さんと一緒にいたことをあれこれ聞かれると、言っちゃいけないことを言ってしまいそうで、あたしは大慌てで白斗さんの部屋を後にした。




「はぁ…これで大丈夫…。」

「なぁ…お前…紫紀と二人で何話してたんだ?」

「へっ?」


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