恋色の紙ヒコーキ
「というわけでメインキャストはこれで決定にしたいと思います!!
ジョシュアに陽くん、リリアに神城さん、マリアスに梨絵、でシェイルにはる!!
じゃあメインキャストのみんなに拍手!!」


パチパチパチと拍手が起きるけど…

あー…鬱。



* * *


「あたし、リリアってキャラじゃないと思うんだけど?
どう思う梨絵?」

「あたしもそう思うー
なんか貰った脚本を見るとさー…
リリアってなんていうか大人しい、健気な女の子なんだよね。
衣里香とは大違い。」

「大違いってどういう意味よ。」

「そのまんま。」

「随分言うようになったじゃない。
それより…あんたいつまで落ち込んでるのよ?」

「へ?」

「あのねぇ…たかが役でしょうが。
陽の恋人役だからって陽を取ったりしないわよ。」

「わっ…分かってるもん!!だけど…。」

「だけど何よ?」

「もーっ!!何でもないっ!!」

「何でもなくない顔で何でもないって言われても説得力無いわよ。」


なんかいつの間にか、あたし、梨絵、衣里香の3人で話すことが増えた気がする…
まぁ梨絵がいきなり『友達になった』とか言い出したからだけど。



「何の話?」

「陽っ!!」

「ああ、この子があなたの相手があたしだってことが不安なんだって。」

「不安?」

「ち…違うっ!!もう余計なこと言わないでよね!!ってか違うし!!」

「違くないじゃないの。
まったく…ていうかセリフ覚えられるの?」

「……微妙…。」

「でしょうね。」

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