恋色の紙ヒコーキ

夏の演技合宿

夏休みが本格的に始まったっていうのに、あたしたち3年生は夏期講習三昧…
そして夏期講習後は…



「ジョシュア様。王様がお呼びでございます。」

「ああ。今行く。」


うわーん!!なんであたしが『様』とか敬語とか使わなくちゃいけないのよー!!
しかも陽演技上手いし!!

というわけで飛鳥の厳しい演技指導が入ってます…
役を貰った人は稽古、衣装とか大道具係は教室の後ろの方で制作中…



「ストーップ!!はるっ!!」

「ふぇ?」

「なんなのよーその嫌そうな顔!!それに超棒読み!!」

「だーってぇ…
なんで陽に敬語使わなきゃだめなのー?
なんか歯がゆいって言うかむずむずするんだけど…。」

「役だから仕方ないでしょ!?
んなこと言わないで真面目にやってよー…」

「真面目にやってるよー。」

「もーっ!!梨絵、はると交代。
梨絵との舞踏会のシーン先に少しやってみよう。
陽くんセリフ大丈夫?」

「あ、うん。」


あたしは後ろの方に追い出される。

だからあたしに演技は無理なんだよー!!
それにメイドってか切なく陽に想いを寄せるとかそういうのしたことないし出来ないし!!

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