恋色の紙ヒコーキ
強引に言いくるめられたあたしと梨絵。


その後も役を代えて練習…





* * *


「やーっと終わったぁ…」

「お疲れ様。」

「冷たっ!!」


ほっぺに冷たいものを当てられて、思わず振り返るとカルピスソーダを持った陽。


「今日頑張ったご褒美ってことで。」

「ありがとっ!!」

「あ、半分くらいは俺にもちょうだい?」

「分かってるって!!」


あたしはゴクゴクとかなり勢いよく飲んだ。
炭酸だってことを忘れて…

だから案の定、むせる。


「ごほっ…!!うっ…」

「えっ!?はる大丈夫!?」

「ごほごほっ…だ…ぃじょ…うぶ…」

「はるはそそっかしいな、ホント。
今日も台詞結構噛んでたし。」

「それはっ…!!
仕方ないの!!あたし滑舌悪いし。」

「誰もそんなこと言ってないよ。
必死なはる、可愛かった。」


不意にそんなことを言われて思わず顔が赤くなる。

「バカっ!!そんなこと、いきなり言わないでよっ!!」

「なんで?だって本当に可愛かったからさ。」

「もー!!可愛くてもなんでもメイドに変わりないんだもん!!
陽に敬語使うのすごいむずむずするから嫌!!」

「あ、それは確かに。なんか俺もむずむずする。」

「でしょ!?」

「でも…」


少しの間…
その後でゆっくりと陽が口を開く。

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