恋色の紙ヒコーキ
「なんですか?」

「付き合ってるんですってね、陽と。」

「えぇ!?なんで知ってるんですか!?」


いきなりそんなことを言われてあたしの顔は真っ赤になる。


「陽がね、1月くらいかしらね…
すごく落ち込んでいるっていうか元気がないときがあって…。」


あ、あの時…だよね。
陽も元気なかったんだ…


「でもバレンタインの日だったかしら?
いきなり元気になったのよ。
いつもみたいな笑顔で帰ってきて…
それで聞いたらはるちゃんと付き合うことになったからって…。」

「っ…陽のバカ!!」

「はるちゃんったら…
そんなに照れなくてもいいじゃないの。
私、とても嬉しいのよ。」

「え?」

「いつかはるちゃんが陽の大事な人になってくれたらなって思っていたから…。」

「えぇ!?ってあたしですか!?」

「ええ。
初めてはるちゃんが家に遊びに来た時から、きっとこの子が陽の大事な子なんだなってことは分かってたんだけどね。」

「どうして…ですか?」

「陽があんなに幸せそうな顔をするのははるちゃんの前でだけだから…かしら。」

「そっ…そんなことは…。」

「それに…陽が家に連れてきた女の子ってはるちゃんが初めてなの。」

「そ…そうなんですか?」

「ええ。家まで押しかけてきた積極的な女の子はたくさんいたけれど…
陽が自分で家に入れたいって思った女の子ははるちゃんが初めてなのよ。」

「そう…だったんですか…。」


なんかすごく…
嬉しいような、でもちょこっとだけ恥ずかしい、
そんな気持ちになる。

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