恋色の紙ヒコーキ
*陽side*


母さんが俺に家事を頼むなんて珍しいことじゃないけど…
わざわざはるが来てるときに頼んだってことは、はると何か話がしたかったからなんだろう。
そんな俺の読みは当たっていた。


俺はなんだかリビングに入るタイミングを掴めないまま廊下に立っていた。
話を聞いていると、なんだか上手くはるの不安要素を母さんが聞きだしていた。



「問題はね、はるちゃんがつり合うとかつり合わないとかそういう問題じゃないのよ。」

「それってどういうことですか?」


そんな回りくどい言い方したってはるには伝わらないよ、母さん。
ストレートに言わなきゃ。
思わず心の中で呟く。


「大切なのは気持ちだけ、でしょう?
はるちゃんが他のどんな可愛い子よりも陽のことを想ってくれている。
そして陽も、他のどんなにかっこいい子よりもはるちゃんのことを想っている。
それだけあれば充分だと思うわ。
それとね…。」

「?」

「誰にも渡したくないっていう独占欲。
これってすごく大事よ?恋愛においては。」

「独占欲っ!?」

「ええ。あら、はるちゃん!!お顔が真っ赤!!」

「もーっ!!言わないでくださいっ!!」

「ごめんなさい。あまりにも可愛くて…。」

「可愛くないですっ!!でも陽ママ…。」

「なにかしら?」

「ありがとうございます…
なんだか少し…すっきりしました!!」

「それなら良かったわ。
というかはるちゃん、もっと自信持ってもいいと思うわよ、私。」

「え?」


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