恋色の紙ヒコーキ
「俺ばっかり好きなわけじゃねぇんだな。」

「え!?そんなこと思ってたの!?」


梨絵が俺を少しだけ突き放す。

俺と梨絵の目線がぶつかる。

あれ…?なんだかちょっと…
不機嫌?


「それってすっごく失礼なんだけど…。」

「え?」

「久哉ばっかりが好きとかそんなわけないじゃん!!
ちゃんとあたしだって…。」


そこで思わず口ごもる梨絵。
それがどうしようもなく可愛い。

つーか…
その先を言ってもらいたくなるよな…


「あたしだって…何?」

「…言いたくない。」

「はぁ!?言えよ!!
つーか聞きてぇのはそこだし。
言ってくんなきゃ分かんねー。」

「……分かってるくせに…。」

「分かんねぇって。梨絵の気持ち、ちゃんと言ってよ。
聞きたいから。」

「…もーっ…
あたしも…ちゃんと…
久哉のこと想ってるよ…
ちゃんと…好きだから…。」


「俺も好きだーっ!!!!!!!!」


海に向かって叫んだ。

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