恋色の紙ヒコーキ
俺ははるの肩に手を伸ばす。
そしてそっと自分のほうに引き寄せた。


「陽…?」

「寒いんでしょ?
温めてあげるよ。」

「えっ…いい…いいよっ!!大丈夫だから!!」


そう言ってまた俺から離れる。


「なんではるは俺に甘えないの…?
たまに甘えてほしいんだけど。」

「あたし…いつも甘えてるよ?」

「え?」

「だって陽にいっつもパフェ奢ってもらってるし…
悩んだときとかいつでも話聞いてくれるし…
あたし、甘えっぱなしじゃない?」

「そういう甘えのことを言ってるんじゃないんだけど…
というかそういうのは別に…
なんていうか普通に前からずっとしてたじゃん。」

「ま…まぁ…そうだけど…」

「でしょ?そうじゃなくて…
もっと全体的に彼氏として頼ってほしいなって…。」

「彼氏として…?」


俺の言った『彼氏』という言葉にまた照れるはる。
いつになったら慣れてくれるのかな…?


「ま、つまり、もっと全面的に甘えてくれていいよってこと。分かった?」

「わ…分かった…。」

「んじゃ手始めにこっちおいで。」

「え…?」

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