恋色の紙ヒコーキ
「唇、青紫色になってるってことは本気で寒いんでしょ?
あと…少し疲れてるんじゃないか、はる?」

「そんなこと…。」

「少し休みなよ。
俺にもたれていいから。
だから、こっちおいで。」

「…うん…。」


素直に俺にもたれかかってくるはる。
本当に疲れていたみたいだ。

俺ははるの頭を撫でる。


「ねー陽…。」

「ん?」

「陽にくっついてると安心するー…。」

「え?」

「なんか今、ふとそう思ったの…。」

「そっか…
それは嬉しいな。素直に。」

「ホント?
うーん…なんか安心したら眠くなってきちゃった…。」

「寝ていいよ。」


しばらくするとすーすーと規則正しい寝息が聞こえてくる。


「ホントに寝ちゃったし。」


はるの寝顔を見て、思わず笑みが零れる。
ここのところ、毎日講習の予習に宿題もあったし…
劇の練習もあったから本当に疲れてたんだろうな。


「おっと…。」


俺にもたれていたはるがバランスを崩して倒れそうになるのを、ギリギリで受け止めた。

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