恋色の紙ヒコーキ
またしても二人っきりになった。

もう時間も時間だから周りにあまり人もいない。


「眠り姫にキスって…
久哉って意外とロマンチスト?」


つい笑ってしまう。
そんなガラじゃないのに。


「はーるー。
起きなって…
ご飯なくなるよ?」

「んー…あとちょっとだけだから…。」

「はぁ…
起きないと…キスするよ?」

「キス…?
キスって美味しい…お魚だよねぇ…。」


完全に寝言。
キスってそのキスじゃないし。


俺はちょっとしたいたずら心で、はるの唇にそっとキスをした。

その瞬間だった。


パチッと目が合った。
どうやら目を覚ましたらしい。



「ちょ…な…何!?
何して…っ…」

「何って…起きないから、キス?」

「疑問形にしないでよ!!
もー信じらんない!!
あたし眠り姫じゃないんだよ?」

「眠り姫だったよさっきは完全に。」

「陽のバカっ!!」


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