恋色の紙ヒコーキ

約束の花火

「ふーっ…
お腹いっぱいだぁー♪」

「はる、バイキングだからって食べすぎだよー。」

「だぁって、美味しいんだもん。」

「太るよ?
衣装着れなくなったらどうするの?」

「大丈夫大丈夫!!
ちょっと動けば痩せるもん♪」

「はいはい。」

「そろそろ花火やんね?
結構買ってきたぜー!!」

「安藤最高!!
あ、線香花火は絶対最後だからね!!」

「わーってるって。」



* * *


「ねぇねぇ!!去年の夏もみんなで花火やったよね?」

「あー懐かしい!!去年のキャンプの時だよね?」

「そーそー!!ね、陽!!ちゃんと覚えてる?」

「覚えてる覚えてる。」

「安藤は?」

「覚えてるよ。あの頃の俺ら、すっげー若かった。」

「なによーいきなりじじくさいこと言っちゃって…。」

「つーかだってあの頃、俺ら全員片想いだったんだぜ?今思えば若くね?」

「確かに…そうだね。
もう1年も経つのか。早いね、時間って。」

「あたし、あの日のことはホントに鮮明に覚えてるよ。」

「え?どして?」

「久哉が初めてあたしのこと、名前で呼んでくれた日だもん。」

「え!?な…ちょっと!!あたしそれ初耳なんだけど!!」

「え?嘘!?はるには言ったと思ってたんだけど…。」

「俺もそれ、聞いてないんだけど?」

「言ってねぇし。」

「ちょっと!!その話詳しく話してよ!!」

「えー…今更?」

「いいじゃん♪今更だから話してよ。」

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