恋色の紙ヒコーキ
* * *

梨絵たちの話を聞き終わって、出抜けに安藤が口を開く。


「花火の次の日だよな?
はるが森の中で迷子になったの。」

「そうそう。
あれ、あたしめちゃめちゃ心配したんだから…」

「ごめん…。」

「でも結局一番おいしいとこは陽が持ってったって話になるけどさ。」

「え?そうかな?」

「つーかさ、あの時結局どうなったわけ?」

「何が?」

「だーかーらー!!
なんつーか…
なんかあっただろ?
ラブラブエピソード的な。」

「安藤変態ー!!
別に何もなかったもんね?」

「何もないことはないけど…。」

「バカ!!
何もなかったじゃん!!
変なこと言わないでよ!!」


もーっ!!
誤解されちゃうじゃん!!


「え?なに?
何があったの?
あたし、そのときのことははるからなんにも聞いてないから…。」

「俺も何も聞いてねぇー。
この際だから話しちゃえよ。」

「まぁ話してもいいけど…。」

「だめーっ!!絶対だめ!!」

「なんでさ。」

「……絶対照れるもん。」

「もーっ…はるってば可愛い!!」


そう言って梨絵があたしに抱きついてくる。

< 141 / 297 >

この作品をシェア

pagetop