恋色の紙ヒコーキ

「というか俺、久哉には言ったよね？
はるが抱きついてきたって。」

「ちょ…陽!!」

「なにそれっ!?あたし、聞いてないよはるっ!!」

「あー聞いたかも。」

「だろ？それくらいだよ。あとは何もない。」

「つーかよぉ…
自分から抱きついといてその時に陽への恋心に気付かねぇはるってマジでどうなんか？
ふつーそこで完全に気付くだろ。」

「へ？」

「だーから、陽への気持ちにだよ。
自分が好きな相手にじゃなきゃ普通抱きついたりしねぇよ。」

「え…？」

「あたしもそう思うなー…
ってかはる、結構あの時から自覚してたと思うよ。
なんか変だったもん。」

「変？何それどういうこと!?」

「だってあの後結構ぼーっとしてたし…
あの時から、はるの中の陽くんは今までと少し違ってきたんだと…思う。
だから修学旅行のあれがあったんじゃん？」

「懐かしーな、それ。
ま、お前らのおかげで俺は梨絵の隣になれたわけだけど。」

「って結局それが目的じゃんか安藤!!」

「はぁ!?人聞き悪ぃな…お前らがっていうか主に陽が痛々しかったから俺と梨絵がタッグを組んでやったんじゃねぇか!!」

「そんなに俺、痛々しかったかな？」

「はるも充分痛々しかったよ？」

「そんなに!?ってあたしは別に…。」

「はるも陽くんもすっごく辛そうだったのはホントにホントだよ。
ね？久哉。」

「おぉ。」


あたしはあの頃のことを思い出す。