恋色の紙ヒコーキ
今…

陽が言ったんだよね…?



「陽ーっ!!」


その転校生はわき目もふらずに陽に抱きついた。


「離してもらえる?」

「いーやっ!!
あなたのために、お父様に頼んでようやく転校させてもらえることになったんだから♪」



あたしはその光景をただただ見つめるだけ。

だって見つめるしかできないじゃん。



「今度こそ、私の彼氏になってくれるでしょう!?」

「いい加減にしろ!!神城。
まだ紹介が終わっていない。
前に戻れ。」

「紹介なんていらないわ。先生。
私、陽に覚えてて貰ってればそれでいいの。」

「いいから…前に来い。
そういうことは俺がいなくなってからやれ。」

「…分かりました…。」


彼女は、ちょっと納得のいっていない顔で渋々てらりんの言葉に従った。




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