恋色の紙ヒコーキ
「ただいまー!!」

「みんなの分も買ってきた。俺の奢り!!」

「ありがとっ!!」

「いえいえ。で、何の話してたんだ?」

「何のって…
色々変わったよねって話だよ。」

「またその話かよ。
まぁそりゃ変わったけどさー。」

「卒業が近付いて来てちょっと寂しいねって話もしてたの。」

「卒業…。」

「んだよはる…んな切ねぇ声出すなよ。」

「だって…卒業したら離れ離れでしょ…?
みんなといつもみたく学校で会えなくなっちゃうんだよ…?」


なんだか急激に寂しくなってきた。
もーっ…卒業とかそういうこと言わないでよ梨絵ーっ!!
やばい…
ちょっと泣きそう…

そう思った瞬間に陽があたしの手を優しく握る。


「え?」

「さっき、笹川さんとの話の続きだけど…
時間が経つと変わるよね、人も物も。
だけど…時間が経っても変わらないものがあると、俺は思ってるんだよ。」

「な…に?」

「人の想い。」

「想い…。」


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