恋色の紙ヒコーキ
* * *

「はるやっぱ似合うねー!!」

「メイドカフェ行けるんじゃん?」

「それ絶対褒めてないっ!!」

「褒めてる褒めてるー!!」

「ぜーったい褒めてない!!
っていうかお客さんどのくらい入ってる…?」

「ほぼ満席だよー。
前売り券もすぐ売れちゃったし…
今日の当日券も開始15分で無くなっちゃった。」

「え…そんなに!?」

「だぁってねぇ…
陽くんが皇子様役だよ?
そりゃあこぞってみんな見に来るでしょ?」

「ふーん…。」


そりゃまぁ…陽の皇子姿は衣装合わせの時点ですっごい悲鳴が上がってたし…
あたしも正直かっこいいと思ったし…
ってかかっこよすぎて陽とのシーンのセリフ飛んじゃったんだよね。練習の時。


「きゃーっ!!陽くんすっごく似合ってる!!」

「え?」


あたしはクラスの子たちの悲鳴の先を見つめる。


「陽…。」


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