恋色の紙ヒコーキ
あたしの目線の先には皇子様の姿をした陽。


「はる、メイド姿似合ってるね。」

にっこり笑って陽はそう言った。

「ねぇー…
皇子姿の陽にそれ言われるとものっすごく落ち込むんだけど…。」

「え?なんで…?可愛いのに…。」

「なんでもーっ!!」

「ってか陽くん似合いすぎ…」

「ホントかっこいいね…。」

「やばーい…。」


あーあ…
まーたみんなの目がハートになってる。
まぁ確かにものすごぉーくかっこいいけど…。
だから余計あたしみじめじゃん…メイドとかさ。


「あなた、良くお似合いじゃないの、そのメイド服。」

「衣里香!!」


衣里香は王女様だからものすごく派手なドレスに身を包んでる。
っていうかこんなの、衣里香しか着こなせない!!


「あら?似合いすぎてて言葉を失っている感じ?」

「うん…似合いすぎて怖い。」

「でしょ?梨絵もかなり似合ってるわよ。
梨絵、途中で衣装変えがあるし…その点に関しては羨ましいわ。」

「だったらやりますか…?」

「嫌よ。あ、というか梨絵、ちょっと話があるんだけど少しいい?」

「え?何…本番前に…。」

「ちょっと来て。」

「もーっ…。」


…なんだろ?

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