恋色の紙ヒコーキ
「神城衣里香(カミシロエリカ)です。
白百合学院から転入してきました。
みなさん、どうぞよろしく。」


とびっきりの笑顔でそう言った。

教室がざわつく。

白百合…と言えば相当なお嬢様学校…
そんなとこからわざわざうちの学校に転校してくるなんて…


「あ、それと…。」

思い出したように彼女が言う。


「私、陽の彼女になるためにこの学園に来たの。
そこのところも、ご理解のほどお願いいたします。」


さらに教室がざわつく。

あたしに一気に注目が集まる。


「いいから。
まずは神城、一番後ろの席に大人しく座ってくれ。」

「はい。」



てらりんが何を言っても教室のざわめきは収まらなくて…

それと一緒にあたしの心もざわついてた。


陽の口から女の子の『名前』が飛び出してきたのが

どうしても耳から離れなくて…


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