恋色の紙ヒコーキ
あたしの頭は混乱したまま。
なのにあたしの手はいつの間にか陽に握られている。
また観客の女の子たちの悲鳴が凄い…。


「僕を探しに来てくれてありがとう…
こんなに…汚れてしまったね。」


そう言いながらあたしのほっぺにそっと手を添える陽。
そんな姿にまたしても悲鳴があがる。


「ジョシュア様…?」

「君に…とても会いたかったよ。」

「え?」


思わず聞き返す。
いっ…意味が分からない…んだけど…?
なんで?ジョシュアってこんなことシェイルに言わないよ!!


「リリアにも話したんだよ、君のことを。」

「私のこと…?」

「ああ。僕には愛している女性がいるんだってことをね。」

「愛している…
それは婚約者の方ではなく?」

「婚約者なんか愛していないよ。
僕が愛しているのは…たった一人だけだよ。」

「…。」


なんて言えばいいんだろう…
展開が全然読めない!!


「僕が愛しているのは…
君だけだ、シェイル。」

< 168 / 297 >

この作品をシェア

pagetop