恋色の紙ヒコーキ
凄まじい悲鳴が耳に響く。


「ありがとう。君の口から…その言葉が聞けて嬉しいよ。
これでようやく…僕の夢が叶う。」

「夢…?」

「愛する人と結婚することだ。」

「結婚!?
でも…ジョシュア様には…婚約者が…。」

「そんなもの、どうにでもなる。僕が父上を説得するよ。」

「ですが…私とジョシュア様では身分が…。」


あたしは自分が疑問に思ったことをぶつけていく。
それをいちいち上手くかわしていく陽。


「身分…?そんなのも関係ないよ。
王族が王族と結婚しなきゃならない法律はない。」

「え…?ですが…。」

「身分の壁なんて関係ない。
大切なのは僕たちの気持ちだけだよ。
僕は君を離さない、決して。」

「…ジョシュア様…。」


顔がもはやジョシュアなんかじゃなくて、陽になってる。
メイクも服装もジョシュアのはずなのに…
あたしにはこれっぽっちもジョシュアには見えない。


「もうじき城に着く。その前に…。」

「え?」


不意に腕を引かれ、陽に抱きしめられる自分に気付く。


「ジョシュア様…?」

そう言って顔を上げた瞬間だった。



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