恋色の紙ヒコーキ

舞台終了後

*陽side*

「あり得ないんだけどみんなーっ!!」

「「「何がぁ~?」」」

「何がって…あの劇の脚本をいきなり変えたことに決まってんじゃん!!」


そう言ってちょっときつく俺を睨む。
睨んでも全然怖くないんだけどな。


「もう終わったことだろ?そんなに怒らなくても…。」

「だってあたしだけが知らなかったじゃん!!」

「その方がはるの『素』を引きだせるでしょ?」

「『素』なんか引き出さなくていいもん!!」


そうやってまだ怒ってるはる。
怒ったってもう終わったことなのに。

それに…
俺は好き勝手やれて楽しかったけど…。


「あたし疲れたからもう帰るっ!!」

「んじゃ、俺も。はる、帰ろ。」

「あ、二人とも…打ち上げの予定を…。」

「いつでも構わないよ。決めたら連絡して。
それじゃみんな…お疲れ様。」

「陽くんもお疲れ様!!
はるもお疲れーっ!!」


俺はすぐさま帰ろうとするはるの腕を掴んだまま、そう言った。

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