恋色の紙ヒコーキ
ドアのところで、動かなくなったあたしの足…

早く行かなきゃ…!!陽が出てくる前に…
でもそう思ったときにはもう遅かった。


「失礼しました。
あれ…はる…?もしかして今の…聞いてた…?」


陽の問いかけに、あたしは顔を上げられない。


「聞いてたんだね。ごめんね。もっと早く、はるに言っておくべきだったね。」

「……。」


頭では分かってる。
『陽が悪いんじゃない。』
陽は、いつまでも進路が決まらなくて悩んでて、その話題を避けようとするあたしに気を遣って、あえてその話題に触れないでいてくれたんだって分かってる。


「少し…話そうか。」

「話すことなんて…何もないよ。
頑張って、陽。」


そう言って陽に背を向けた瞬間に掴まれたあたしの腕。


「待って。はるの進路も聞きたいから、少し話そう。」


陽に腕を引かれて辿り着いたのはいつもの場所。


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