恋色の紙ヒコーキ

＊　＊　＊

「よーうっ!!」

「久哉…。」

「んだよ…また溜め息か？
今日何回目？」

「数えてないな。」

「陰気くさい顔ばっかすんなよなー
つかはかどってる？」

「まぁ…ぼちぼち？」

「にしては冴えねぇ顔だなオイ。
って仕方ねぇか。もう1ヶ月くらい？はると話さなくなって。」

「んー…まだそんくらいしか経ってないの？」

「うん…まぁな。
で、はるの方からはなんもねぇの？」

「ないよ。
それに実際…俺の方も結構勉強が忙しかったし。
勉強に集中している間は…余計なことを考えなくて済むだろ？」

「まぁなー。
つーかなんか…複雑だよな。
寂しがってもらえるのは微妙に嬉しいけど…
でもなんかなー…。」

「うん。そうなんだ…。」


単純に考えれば、寂しがってもらえるのは嬉しい。
だけど、今ある気持ちを、ただ『嬉しい』の一言で表せない。


「勝手…なのかもな。俺は。」

「んーなことはねぇと思うけど。」



ガラララッ…